「住宅ローンの連帯債務者」について知りたい方へ
「住宅ローンの連帯債務者」について調べている人は、以下のような不安や疑問を解決するために情報収集しています。
あなたも同じような疑問や不安をお持ちではありませんか?
- 住宅ローンの連帯債務者とは。どんなメリットとデメリットがあるの?
- 自分のケースだと連帯債務者は、つけるべきなのだろうか
- 住宅ローンの連帯債務者って、いつまでに決めないといけないの?
- 住宅ローンの連帯債務者をつけるうえでの注意点を知りたい
上記のような疑問や不安を持ったまま、住宅ローンの連帯債務者を使うことはおすすめできません。
住宅ローン連帯債務者の利点を使いこなせないでしょうし、もしかするとあなたとは相性の悪い制度かもしれません。
せっかく住宅ローンの連帯債務者を使うのであれば、プラスに働くよう、効果的に使いこなしたいですよね。
そこで今回の記事では住宅ローン連帯債務者に関する疑問や不安について回答していきます。
この記事を読めば、あなたが知っておくべき「住宅ローン連帯債務者」に関する知識はすべて網羅できます。
読み終えた時には、
- 住宅ローンにおける“連帯債務者”の基礎知識
- 住宅ローンで連帯債務者を付けるメリットとデメリット
- 住宅ローンの連帯債務者を利用すべき人
- 住宅ローンの連帯債務者が確定するタイミング
- 住宅ローンの連帯債務者を設定する際の注意点
についてしっかりと理解できていることでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
住宅ローンにおける「連帯債務者」の基礎知識
まずご紹介するのは「住宅ローンにおける“連帯債務者”の基礎知識」です。
アパートや一戸建てのマイホームを購入する場合、ほとんどの人が住宅ローンを組みます。
夫が単独でローンを組む(妻が専業主婦)ケースが多く、共働きの場合は夫婦の両方が債務を負担する方法があります。
夫婦で債務を負担する代表的なものは「連帯保証人」「連帯債務者」「ペアローン」です。
多くのインターネットの記事では3つの違いを明確に区別しておらず、まとめて「連帯債務者」で表す場合も少なくありません。
本当の「連帯債務者」の意味を理解するためにも、3つの違いを正しく知っておきましょう。
まず「連帯保証人」は、夫が主たる債務者になり、妻は保証する立ち位置になります。
連帯保証人を使用すると、申請者の信用を増やす効果があります。
連帯保証人の属性(勤務先・勤続年数・研修等)が良ければ、住宅ローンの審査は合格するでしょう。
次に「ペアローン」についてです。ペアローンは夫婦がそれぞれの債務を負担する方法です。
ペアローンを利用すれば、夫婦それぞれの「住宅ローン控除」が使用でき、住宅ローンの団体信用生命保険にそれぞれが登録できます。
しかしペアローンはそれぞれが主な融資利用者になるため、返済額が膨らみやすいです。
では今回の記事のテーマである「連帯債務者」とは、どのような制度なのでしょうか。
ひとことで言えば、連帯債務者とは「夫婦が一緒に一つの住宅ローン契約をする方法」です。
夫婦一緒に申請者となり、住宅ローンの債務を負担します。
連帯債務者が住宅ローン審査に及ぼす効果
住宅ローン額を決定する重要な審査基準の一つが「所得」です。所得が多いほど融資される金額は、多くなります。
つまり所得を増やせれば、多くの住宅ローンを借りることが可能です。
現在の住宅ローンの構造において、申請者の所得を増大することができる唯一の方法が「連帯債務者」です。
連帯債務者を設定すると、申請者以外の収入を所得に追加できます。
具体的には連帯債務者の所得の2分の1まで申請者の年間所得に合算が可能です。決して所得の全額は合算できません。
申請者の年収が400万円で、連帯債務者の年収が200万円なら、年収500万円で審査可能です。
連帯債務者は申請者の配偶者のほか、同居する家族が条件で、一時的な所得ではなく、安定した収入がある人だけが対象です。
これは一般的な銀行の話で、連帯債務者となる人の条件は金融機関によって異なります。
連帯債務者を設定する場合は、審査の申請前に必ず銀行側に確認しましょう。
連帯債務者も住宅ローンの審査をされる
「住宅ローンの審査は、申請者本人のみ対象」というのが大原則のルールですが、連帯債務者を利用する場合は重要な注意事項があります。
住宅ローンの審査は、連帯保証人と連帯債務者を設定する場合には、それらの人々の審査も同時に行うのです。
具体的には、申請者と同じように同意書を記入し、個人信用情報の照会を行います。
連帯保証人と連帯債務者は、住宅ローンの申請者が返済を続けることができなくなった場合、返済の回収対象になるため、銀行にとっては重要な人物になります。
つまり、申し込み者同様に毎月の返済額を返済できるほどの返済能力が求められるのです。
もし連帯人に設定する人がブラック状態(信用情報に傷がある状態)で、住宅ローンの契約の連帯保証人と連帯債務者となる場合は、審査に影響を与える影響が高いです。
具体的には申し込み者はブラックではなく、連帯債務者がブラックの場合、逆効果になります。
「連帯債務者をつけてしまったことで住宅ローン審査に落ちる」という本末転倒な事態になってしまうでしょう。
どうしてもブラック疑惑のある連帯債務者を設定したい場合は、ブラック明けになるまで待ちましょう。
ブラックリストから脱出(=ブラック明け)するには、6~7年間素直に待つしかありません。
逆にいえば待つだけでブラックリストから脱出できるので、簡単といえば簡単な解決方法と言えます。
一方で、ブラックリストから脱出中の6~7年間に、何かしらの金融事故(債務整理や自己破産)をするとカウントはリセットされ、そこからまた6~7年待たないといけません。
もし債務整理や自己破産をするのであれば、後からするのではなく、先にやっておいた方が早いタイミングで住宅ローン審査に再挑戦できるようになります。
ブラック明けでも連帯債務者が原因で住宅ローンに落ちる場合がある
連帯債務者がブラック明けの場合、迷惑をかけた金融機関ではない銀行の住宅ローンを申し込むようにしましょう。
会社内で過去の個人情報を共有しているので、ブラックリストから脱出したとしても、迷惑をかけた金融機関では審査は通りません。
また、迷惑をかけた金融機関そのものはもちろんのこと、グループ会社も利用してはいけません。
例えば6~7年前に消費者金融のプロミスに延滞していた人は、グループ会社である三井住友銀行の住宅ローンは通りません。
なお、銀行のグループ会社や小会社は大々的には公開されていません。
公式ホームページを見ても、載っていないことはざらにあります。
そのため、個人でグループ会社や小会社を確認するには「●●銀行 グループ会社(小会社)」とウェブ検索してみましょう。
公式ウェブサイトに掲載していない銀行であれば、おそらくウィキペディアがヒットするでしょう。
ウィキペディアの「小会社」「グループ会社」という項目によって、どこの金融機関と関係しているかわかります。
ここまでは「住宅ローンにおける“連帯債務者”の基礎知識」をお伝えしました。
連帯債務者とは一体どんな制度なのか、理解していただけたのではないでしょうか。
次にご紹介するのは、「住宅ローンで連帯債務者を付けるメリットとデメリット」です。
住宅ローンで連帯債務者を付ける3つのメリットとたった1つのデメリット
次は住宅ローンの連帯債務者を付ける利点について、深掘りしていきましょう。
住宅ローンの連帯債務者を設定すると、次のような3つのメリットがあります。
住宅ローンの連帯債務者を付ける3つの利点
- 審査の結果に良い影響を与える
- 連帯債務者も住宅ローン控除を受けることができる
- 連帯債務者にも団体信用保険を適用できる
連帯債務者を設定すると所得が上がるので、住宅ローンの審査が通過しやすくなります。
また連帯債務者の場合もペアローンと同様に、夫婦それぞれの住宅ローン控除を受けることができるのも魅力です。
さらに団体信用生命保険に関する利点もあります。
フラット35をはじめとする住宅ローンは、申請者との連帯債務者のそれぞれの団体信用生命保険に加入できます。
団体信用保険は返済している住宅ローン利用者が死亡したり、重傷を負ったりすると住宅ローンの残りの債権を返済処理してくれる保険です。
連帯債務者も団体信用保険に加入すると、二人のうち一人に「何か」があったとき、住宅ローンの残りの債権をなかったことにできます。
連帯債務者も団体信用保険を加入する銀行は少数ですが、フラット35なら申請者との連帯債務者のそれぞれ参加できますよ。
申請者しか団体信用生命保険に加入できない銀行を利用するのであれば、連帯債務者の死亡リスクに備えて生命保険に加入するといいでしょう。
住宅ローンの連帯債務者を付けるたった1つの欠点
帯債務者を設定する場合は、発生するリスクを一緒に取る必要があります。
住宅ローン利用者と連帯債務者は「二人で一人」なので、2つの所得が減ると一気に返済が困難になってしまう可能性があります。
収入が減少して弊害が出てくるのは、毎月の返済だけではありません。住宅ローン控除を十分に生かせなくなります。
連帯債務者に設定した妻が妊娠や出産で、仕事を辞めてしまったとしましょう。
奥様の収入は無収入になり、当然控除がありません。
このように、2人の状態が変化すると返済や控除、さまざまな状況が変わってしまうことが連帯債務者を設定する欠点です。
少しでも共働き状態が変わる可能性がある場合は、連帯債務者は設定しない方が良いでしょう。
ここまでは、住宅ローンで連帯債務者を付けるメリットとデメリットをお伝えしました。
連帯債務者を設定することによって得られるメリットやデメリットについて、理解していただけたと思います。
次にご紹介するのは、「住宅ローンの連帯債務者を利用すべき人」です。
住宅ローンの連帯債務者を利用すべき人3パターン
次は、住宅ローンの連帯債務者を利用すべき人について解説していきましょう。
住宅ローン連帯債務者の特徴を考慮すると、次のような人は利用するのをおすすめします。
住宅ローンの連帯債務者を利用すべき人
- なんとかして住宅ローン審査を通過したい人
- これからずっと夫婦共働きで転職・退職する予定がない人
- 育児休職を使用する予定がない人
基本的に住宅ローンの連帯債務者を設定する目的は、「審査に通りやすくするため」です。
「住宅ローン控除」「団体信用保険」に関するメリットもありますが、利用した副産物に過ぎません。
住宅ローン控除と団体信用保険のために連帯債務者を設定する人はいないでしょう。
連帯債務者を設定せずに審査に通過できるのであれば、あえて使用する必要はありません。
ここまでは、住宅ローンの連帯債務者を利用すべき人をお伝えしました。
どんな人が住宅ローンの連帯債務者を利用すべきなのか、理解していただけたと思います。
次にご紹介するのは、「住宅ローンの連帯債務者が確定するタイミング」です。
住宅ローンの連帯債務者が確定するタイミング
次は連帯債務者が確定するタイミングについて解説していきます。
住宅ローンの連帯債務者を設定するかどうかは、事前審査申請時に決定されます。
事前審査申請書の中にある「連帯債務者」の欄に記入をすれば、連帯債務者が設定されたことと同義です。
事前審査申請時記入した連帯債務者は、変更・削除できません。
なぜここまで確定時期が早いかというと、事前審査が連帯債務者に合わせて審査されるためです。
連帯債務者が変わってしまうと審査結果も全く異なりますので、申し込み時に決定した連帯債務者は変更できないのです。
だからこそ事前審査の申請時には、連帯債務者を本当に設定するのか、誰を設定するかを真剣に考えて決定すると良いでしょう。
もし事前審査後に連帯債務者の変更・削除をしたい場合は、変に気を遣わず銀行側に申請しましょう。
ただし審査はやり直しになりますし、申し込み者にとって悪い影響力があるのも忘れないでください。
連帯債務者の変更は銀行にとって重要な要素のため、ある程度のマイナス評価を受ける覚悟をしておきましょう。
ここまでは、住宅ローンの連帯債務者が確定するタイミングをお伝えしました。 どんなタイミングで連帯債務者は設定されるのか、理解していただけたと思います。 次にご紹介するのは、「住宅ローンの連帯債務者を設定する際の注意点」です。
住宅ローンの連帯債務者を設定する際の注意点
最後は住宅ローン連帯債務者を設定するときの注意事項について、解説していきます。
連帯債務者を設定するのであれば、毎月の支払いが適切な返済額になるようにシミュレートしてください。
連帯債務者は住宅ローンの審査を有利にするために使われる場合が多いので、返済額が無理な金額になりがちです。
住宅ローンは最大35年の長期返済です。正しく返していけるかを確認しましょう。
限界まで借りるのではなく、安心して支払える返済額にする必要があります。間違っても延滞が発生しないようにしてください。
延滞が続くと、最悪の場合、家の強制処分にまで発展します。
その結果、負債が残り、家は追い出されるという悲惨な状況になるでしょう。
最悪の事態にならないためにも、事前に家計を検討し、適切な返済額で借りるようにしましょう。
住宅ローン連帯債務者と何かあった時の危険性と対策方法
連帯債務者は一つの負債を契約者と同じ立場に立ち返済していく人です。
返済の責任は住宅ローン利用者と同じく、ローンを返済するまで継続されます。
非常に長い期間、ローンを返済していくので、やはり何かしらの問題は発生してしまうもの。
連帯債務者を設定した場合の住宅ローンの最大のリスクは、「離婚」と「死」です。
「離婚」と「死」など考えたくない要素ですが、連帯債務者を設定するのであればしっかりと向き合うようにしてください。
住宅ローンの連帯債務者が死亡した場合と対策方法
住宅ローン返済中、連帯債務者が死亡した場合はどうなるのでしょうか。
連帯債務者が死亡した場合は、連帯債務者が団信に加入していない場合、住宅ローン利用者本人が連帯債務者の分まで債務を返済していく必要があります。
こうなると絶対的に返済が困難になるため、なるべく連帯債務者も生命保険に加入しておきましょう。
住宅ローンの連帯債務者と離婚した場合と対策方法
住宅ローン利用者と連帯債務者が離婚しても、住宅ローンを返済しない限り、互いに返済義務は継続されます。
住宅ローンを組む時点でリスクを夫婦で共有し、離婚しないことを前提に話をすすめるのがベストです。
しかし人生は何が起こるかわかりません。どうしても離婚してしまうこともあるでしょう。
そうなると、離婚後もそれぞれ返済していく道をとることになります。
それ以外の方法では、物件を売却して返済義務を免責する方法を採用するほかありません。
住宅の半分は自分のものではないため、どちらかが勝手に処遇を決定することはできません。
そのため、住宅ローン利用者が連帯債務者の持分を受けて、利用者の持分比率を100%にしたうえで、連帯債務者には現金を渡す方法が有効になります。
また、離婚前に住宅を売却して、それぞれ残りの住宅ローンの返済から解放される方法を選択するケースもあります。
まとめ
以上「住宅ローン連帯債務者」をテーマとして主に5つの知識を解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
紹介した知識さえ押さえておけば、「住宅ローン連帯債務者」に関する知識は、すべて網羅できているのでご安心ください。
今後、住宅ローンの連帯債務者を設定する機会がある際は、今回紹介した知識をぜひ参考にしてみてください。